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「はぁー」
今日でため息を何回しただろう?
数えてはいないけど、多いとは実感できる。
結局あいつとは朝の休み時間には会えずじまい。
となると違うクラスの私は、会えるのは昼休み。
別に合間の休憩時間にB組に行ったらいいんだけど…特に理由もなく行くと気付かれそう
あいつに私の気持ちが
絶対にそんなことはないんだろうけど
分かっているのに、動けない自分が悲しい
だからせめてもの気分転換に、廊下をぶらぶらと歩く。
「よっ」
「えっ、あっ、お、おはよ」
そうしたら、あいつと廊下でばったり
本当に世の中は分からない。
とりあえず、若干しどろもどろになりつつも挨拶を返す。
多分、怪しまれてはいない、と思う。
「かがみ、聞いてくれよ」
その証拠にあいつは気にした様子もなく話をしてくる。
もっともこれはあいつがそういうことに鈍感だからかもしれないけど
「昨日デザートタイガーでバイトしてたら、店長がケバブのソースで客と揉めてさー」
「で、あんたが止めに行ったと」
「のはずなんだけど、気付いたらオレがその客に噛みついてたんだよな」
「なにそれ」
なにはともあれ私とあいつは休憩時間の間、ずっと喋っていた。