暗くて嫌な感情を持ちながらわたしは教室へととぼとぼと帰る。

 夜にお姉ちゃんに相談したいけど、いつもいつもお姉ちゃんには迷惑を掛けたくない。

 でも、この気持ちをどうしたら―――



 ごっつんこ☆



「きゃう!?」

 本日二度目の衝撃。

 でもさっきと違って受け止めてくれる人がいないから、わたしは今度こそ尻餅を着く。

「あいたた〜ごめん、ってつかさか」

「こなちゃん?」

 こなちゃんは何事もなく立ち上がると、手を差し出してわたしを立ち上がらせてくれたの。

「ありがとう、こなちゃん」

「いやーこっちの前方不注意だし」

「……ひょっとしてシンちゃんのこと?」

「うを!? ニュータイプか!? イノベーターか!?」

 驚くこなちゃんだけど、わたしが今同じ気持ちで前を見てなかったから、なんとなくそう思っただけ。



「いや〜自分がこうも俗物とは思わなかったよ、シンが他の子と話してるだけでさ」

「あはは」

「なんだろね、この嫌な感情は」

「うん、お姉ちゃんやこなちゃん、ゆきちゃんがシンちゃんと話してても平気なのにね」

「えっ、わたしは違うけど〜?」

「そうなの?」

 二人とも小さく笑って、大きくため息。

 でもちょっと嬉しい、今、本当に同じ悩みを抱えてる親友がいることに



 よ〜し



「こなちゃん」

「ん?」

「お料理しよ!」

「なぜに!?」





戻る  別の日常を見る   進む