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「どうする? 取り合えず映画でも行くか?」
「そうね、今話題のホラー映画もやってるし」
「……できれば別のやつがいい、かな………」
「ややっ! キミ達は!!」
ぶらぶらと歩きつつ、今日の予定を話していると、後ろから大きな声が聞こえた。
左右のつかさとかがみと顔を見合わせ、そして、オレ達は振り向かず歩いていく。
「待てぃ! 少女A同盟の諸君!」
だが回り込まれた
「なんですか!?」
「うむ、やはり四天王よりも同盟の方がいいと思ってな。
四天王だとどうも――」
「だからなんの様だよ?」
何やら意味不明な事をブツブツ言ってる、バイザーを付けた男。
あれ? 確かこの人………。
「そう! 俺こそがかのアニメ店長こと兄沢命斗だぁぁぁぁぁぁ!!!」
何やら周囲の気温が少し上がった気がする。
「そのアニメ店長さんがどうかしたんですか?」
「……いや、そんなナチュラルに返されても、悲しいんだが………」
横でかがみが笑いを堪えてるのが分かった。
つかさのマイペースさは、この人との相性は最悪かもしれない。
このやりとりを少し続けて見たい気がするけど、こんなところで無駄に時間を潰したくはない。
「で、本当になんの様ですか?」
「よく、聞いてくれたぁぁぁ!!」
こっちに暑苦しい視線を向ける兄沢店長。
「そこのキミ達二人、我がアニメイトのネットアイドル声優にならないか!?」
兄沢店長はオレの左右を指差す、つまりつかさとかがみだ。
聞かなきゃよかった
俺は助け舟を出した事を思いっきり後悔した。