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 放課後、所定の場所にもうみなみは来ていた。

 こちらに気付き、小さく頭を下げる。

 相変わらず目には敵意の色、でも少しだけ、本当に少しだけ和らいでる。



「…………」

「…………」

 昨日の今日だから、お互い牽制し合い、その上オレもあっちも社交的とは言えない為、沈黙が支配する。





「なんで、あんな事したんだよ!?」

 どうやらあっちの方が忍耐力は上らしく、オレが先に仕掛ける。

「……あんな事………!!」

 みなみの目付きがよりいっそう鋭さを増す。

 ただそんな程度で怯むオレじゃないから、平然と受け止める。



「……あなたにとって、みゆきさんはなんですか?」

 質問の答えになっていない、聞いているのはこっちだ。

 お前に言うつもりはない、と口に出そうとするのをなんとか堪える。

 それを言ってしまったら、これで終わってしまう。

 こんな終わり方じゃあ、この場を設けてくれたみゆきと、オレとみなみが仲直りするのを祈ってるゆたかを納得させる事は出来ない。



「みゆきは、オレにとっては大切な人だ」



 だから、オレは答える。嘘偽りなく。

 それで例え分かりあえなくても、二人なら納得してくれるはずだ。

 大切なのは言葉を尽くす事。



「……では日曜に遊んでいた人とは?」

「その2人もだ」

 あの日どこかでオレ達を見たのか? ……ひょっとしてあの時感じた敵意は………。



「彼女達はオレが守る、危害を加えるヤツなんて持ってのほかだ。例え誰であろうと」

「……出来るんですか? あなたにそんな大勢の人を守る事が」

 オレの布告をみなみは怯む事なく受け止める。

 そう、普通は出来ない。大勢の人を守るなんて、普通の力では



 だから信用できないのか



 みなみの怒りの理由が分かった気がした。

 かがみもつかさもみゆきも女の子だ、そしてオレは男。

 当人同士が違うと分かっていても、周りから見るとそういう関係にしか見えない。



「証拠を見せてやるよ」

 オレはさっき買った缶コーヒーを後ろポケットから取り出し、一気に飲み干した。





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