14
結局、オレとゆたかは帰路の間中、ずっと話したが解決策が見つからなかった。
当然といえば当然だった。みなみが何故怒っているのかが全く分からないからだ。
オレに投げ捨てた言葉、それが恐らくみなみの怒りの原因だろう。
「それにしてもあの言葉」
オレが昔、とある人に投げかけた言葉そのものだ。
その時、その人は何も答えなかったけど、確かに難しい質問だ。
一言じゃ少なすぎるし、かといって多くを言っても混乱させるだけ。
何より
異世界にまで来て何をしている
と言われた気がした。
もちろんみなみはそんなつもりで言ったんじゃないんだろうけど。
そもそもみなみはオレが異世界から来たという事を知らないはずだからな。
「何をしてる、か………」
もはや見慣れた自分の部屋の天井を見上げる。
この世界に来て新たに出来たものを守っている、といったところか?
久しぶりにそんな事を考える。
みなみには感謝しないといけないのかもな。
目的を持っていないと、あいつ達のユル〜イ感情に流される。
別にそれはいい
ただ
守る事を忘れたら駄目なんだ
それを忘れたら、オレがこの世界にいる存在がなくなるのだから
♪ なんでしょうか どうでしょうか♪
そしてこの電話も取らないと、オレの存在はなくなってしまう。