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「うっ、ういっーす!」
二人に挨拶を返したものの、それは自分でもはっきりと分かるほどにうわずったものだった。
そんな私をこなたは楽しそうに、つかさは不思議そうに見てくる。そしてあいつは全くの無関心。
そして訪れるなんといえぬ微妙な沈黙。
どうしよう、この空気………。
「すみません、お待たせしました」
少し後ろからの声は、まさに私にとっては救世主とも思えるものだった。
まあ実際聖人君主の登場だから、言い過ぎというものでもないはず。
「いやいや、わたし達も今着いたとこだし、丁度よかったよ、ねえ〜かがみん?」
ニヤついた顔でこっちを見てくるこなた。
間違いない! こいつ、私の気持ちに気付いてる! 気付いてる上でおちょっくってる!!
しばくにしばけず、私はただを手をワナワナと震わせるのみ。
でもどうして私があいつに気があるって分かったんだろ?
絶対に、ぜぇぇぇぇっっっったいに周りに分かられないように細心の注意をしてたはずなのに
「あ、あの、な、何か………?」
「気にするなよ、いつものことだから」
そう言ってあいつはみゆきを促し、歩いて行ってしまう。
って無関心すぎるわよ! そりゃ…あいつからすれば、興味ないことなんだろうけど………
私からしたら驚いたけど、すっごく嬉しいのに………
「ほらほらかがみ行くよ〜、つかさも」
「あっ、うん」
こなたが激励とばかりに私の肩をぽんぽんと叩いていく。
別に今ので憂鬱な気を払ってくれたわけじゃないけど、……うん、これから、これから!
祭りは始まったばかり、犬も歩けば棒に当たる。一回くらいはチャンスがあるはず。
私は気を取り直して、皆の後を追いかける。
見るとあいつの左側が空いている。
私は速度を上げて目的地へ向かった。