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「ほらほら、パッパとやらないとシンが帰ってくるまでに間に合わないよ」
「分かってるわよ!」
こなちゃんの言葉に飾り付けをしているお姉ちゃんが答える。
何をしてるかというと、みんなであの人の誕生日会の準備をしてるの♪
ちなみにわたしとこなちゃんがお料理担当で、お姉ちゃんとゆきちゃんが飾り付け担当なの♪
「わたし思ったんだけどね」
「何をですか?」
「シンちゃん大丈夫かな? ゆたかちゃんとみなみちゃん一緒だし…もしかして………」
わたしの言葉にみんなの動きが止まる。
…………。
「かがみ〜そこついてないよ」
「あっ、ホントだ。みゆきごめん、それ取って」
「はい、これですね」
あれ? 誰も答えない?
もしかしてみんな聞こえなかったのかな?
「あのね、ゆたかちゃんとみなみちゃんにシンちゃんが――」
「聞こえてるからわざわざ二回言うな!」
お姉ちゃんが物凄い形相でこっちを睨んでくる。
「そうそう、せっかくスルーしてたのに〜」
こなちゃんも恨めしそうにわたしを見てきた。
みんなやっぱり不安だったんだ…わたしだけじゃなかったんだ………。
「皆さん、今は誕生日会の成功に全力を尽くしましょう」
ゆきちゃんの不安を吹き飛ばす言葉にわたしたちは強く頷いた。