アスカが変わり始めたのはいつのことやったか。しょーじき、よう覚えとらん。

 ただ、アスカはよう笑うようになった。

 元々は暗い性格とは違うみたいやったし、物事もはっきり過ぎるほどよう言うから、

泉や柊や白石のボケにも容赦なくツッコミを入れたりして、徐々にクラスのやつらとも親しくなっていった。

 あとなんか異常に義理堅い。律儀ちゅうやっちゃ。ただ妙に約束を守るというのに執着することから、

これはアスカの過去に関係しとるとうちはふんどる。

 まあこれはプライベートな問題やし、担任とはいえおいそれと突っ込んだらあかんところや

 それにうちが余計なことをせんでもアスカはそれを乗り越えようとしとる。

 だからアスカはきっと一日一日変わっていっとたんやろ。

 毎日わずかな時間しか顔合わせとらんから、気付かんかったけど。





「おっ、大学に行くんか? 働くことも考え取ったみたいやけど」

「はい、色々考えて」

「はぁ〜ん」

 アドバイスを送ったのは誰かとは、聞くだけアホや。

 どうせ担任のうちやなく、今職員室の外で待ってる連中達やろ



 クラスから敬遠されていたアスカに全く気にせず話してたやつらがおった。

 その一人が泉。

 泉とアスカは遠い親戚で昔はよく遊んだらしいし、今では一緒に住んでるギャルゲー的な関係やから当然といえば当然。

(ただそのわりにアスカは泉の性格をあんまり把握してなかったっぽいけど)



 そしてその他に二名。

 高良と柊姉。

 二人とも形は違うけど、優等生と評してもケチの付けようがない。

 誰にでも優しく親切で学級委員長である高良はともかく、クラスも別で気が強い柊姉と、アスカが仲が良かったのはかなり意外やった。



 そのうえ





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