そして歩くこと少々、ファンタジーRPGに出てきそうな城門に着いたオレ達。

『やほー連れてきたよ』

『はいはいご苦労さん

じゃあ空けるから』



 またまたまた、知り合いの少女にそっくりな、これまたファンタジ―RPGの黒魔導師の格好をした少女が杖を振ると、門が音もなく開く。



『どうぞ』

 門の奥を指されるが、見えるのは相変わらずな虹色の世界。

 ここまで来て引き下がるのも癪だしオレは歩き出す。



『今回は出番少ないな』

『うっさい』

 すれ違いざまに黒魔導師と言葉を交わし、オレは門の中へと入っていった。





 門を何事もなくくぐると景色が、いや世界が変わる。

 周りは白一色の世界。後ろを見るとさっき抜けてきた門もない。



 そして前を改めて見ると、4人の男がいつの間にか立っていた。

 4人は髪型や体格や服装が微妙に違うけど、4つ子といっても全く差し支えがないくらいに似ていた。

 そして、オレとも



『ははっ驚いてる』

『俺こんな顔ばっかしてたのか』

『こりゃ確かにやりがいがあるな』



 呆然と見つめるオレを尻目に勝手に会話し出す、オレに似た男達。



『お前ら、そんなことを言いに来たんじゃないだろ』

 この中で1番理知的な感じを漂わせる男が他の3人を咎める。

 理知的とは言ったが、ただ単にメガネを付けてるだけなのに、こうも違うもんだろうか



『なんだよ、アンタらオレに用があるのか?』

 オレの声が鋭くなっても男達は怯む様子すら見せない。

 むしろどこか懐かしげな目をこっちに向けてくる。

 そしてその目がオレを余計に苛立たせる。



『なんなんだよ、アンタ達は!?』

『いや、ちょっと忠告しにな』

『忠告?』

『いい加減、気持ちを素直にしろよな』

『なんの話だよ!?』

『失ってからだと、遅いってことだ』

 1人の男の視線にオレは怯む。



 力量差は歴然だった。

 4人とも、オレなんかが手も足も出ないものを持っている。



 力・覚悟・想い・守るべきものを持ってる。





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