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「ごめん」
「どうして謝るの?」
オレの謝罪にも永森やまとは特に驚いた様子も見せずに、淡々と訳を尋ねてくる。
「そっちの大切なものをオレは踏みにじった。キミの触れたら駄目なところ、例え冗談だったとしても許されないところに」
「……つまりそんな気はないと? ………」
「ああ、こうとは本当に偶然今日知り合った」
「そんなのどう証明できる?」
「オレの大切な、守りたい人達に誓ってだ」
未だに警戒した目を向けてくる彼女。
オレも目を背ける事無く彼女を見続ける。
「……まあいいわ」
先に言葉を発したのは彼女。相変わらず無愛想に淡々と話すけど、その瞳からはさっきの感情は霧散していた。
「これで私を騙しているのなら、あなたは稀代の超極悪人ですね」
「残念だけどオレは器が小っちゃいってよく言われる」
「でしょうね」
彼女が悪戯気に笑う。
どんな笑みにせよ、オレは初めて目の前の人物の笑みを見た。
それは無愛想な顔の時よりも何倍も何十倍も良かった。
「それと、私にとってこうはただの腐れ縁だから勘違いしないで下さい」
まるでそれが事実だと言わんばかりの態度だけど、それはないだろう。
大切じゃなかったらあんな態度はありえない。
永森やまとにとって八坂こうという人物は何よりも得がたい大切なものなんだろうな。
だったらもう少しそれを態度でこうに見せてやれよと思うくらい、彼女はこうには冷淡だ。
全く素直………
日頃悪態を付く、一大事になると態度が豹変、普段は感謝の言葉を口に出さない、
……これってオレがあいつ達にとる態度って指摘されてるそのまま!?
ああ、なるほど
どうしてオレが初対面のコイツを気にいらないのか分かった。
勘はパイロットなんてやってたから良い方だ。だからそれがそう伝えてくるんだから認めたくはないけど、認めるしかない。
似てるから気に入らないんだ、コイツはオレに