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「ほい、付けてきたわよ」





バンドがこしょばゆいので、なるたけ肌に干渉しないようにして私は席にもどる。





ちょっと時計のそれ、見せてくれ。

シンはそう言って、私が席に座るなり掌からモニタの時計を奪う。

やっぱしアンタ、それが見たいだけかい。





 ピッ

 ♥64







「へぇ、今の柊の心拍数は64なのか。ふーん」



な、なんだコレっ?みょ、妙に恥ずかしいぞっ?

思わず両腕で胸を隠す。や、そうじゃないでしょ、ってのは、

恥ずかしながら、やってから気が付いた。







 ピッ

 ♥72









「あ、上がった」





―――ヤメロ、実況スンナ。







ふてくされてこぼす私を見て、彼はにやりといじわるそうに笑う。























………あ、やば。























そう思った時はもう遅かった。

両の掌を胸の前でぎゅってして、身構える私より速く、すぅ、とシンの顔が近づく。





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