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小神あきら、アイドル。知ってる人は知ってるが知らない人は全く知らない。
要するに最近量産されているどこにでいるアイドルって事だ。
ハッキリ言って俺もこなたから聞かされていなかったら、その名前すら記憶に残ってなかっただろう。
そんなアイドルがオレの教える相手らしい。
ちなみに今回の件はこなたには話していない。話したらやれサインだ、写真だとオレに駄々をこねるのは必定だからだ。
毎度思う事だけど、そんなに他人のサインなんか欲しいか? オレには全く理解不能だ。
「やっぱ断ったら良かったか」
出てくるのは溜め息。
いくら給料の良さと馴染みの桜庭先生の頼みとはいえ………。断っておくけど人に教えるのは別に嫌いじゃないし、年下の相手も慣れている。
しかしこのアイドルという人種がどうもオレは苦手だ。
裏で何してるか分からないとか、隠してる事が多いとかそんな黒いイメージしかない。
「小神、小神…あった」
もらった地図を頼りに家はすぐに見つかった。
ただここまでくると後戻り出来ないのは事実。それにオレは背を向ける事が何よりも嫌いだ。
「シン・アスカ行きます!」
オレは気合の言葉と共にインターホンに手を掛けた。