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「お〜いきらっち、来週のみんなでプール行くけど来ないか?」
「ごめんムリ」
わたしの返しにその場にいる友達三人は顔を見合わせる。
「あきらちゃん、どっかに行くの?」
「なんだよ、ノリが悪いぜ〜」
……えーっと、わたし一応芸能人なんだけど…仕事とかいう可能性は全く思い浮かばんのですか?
そりゃまあ、毎日みんなとこうして遊んでるけど………。
「どうせ、成績が悪いから家で勉強を命じられたんでしょ?」
ぐさっ!
「確かにきらっち成績悪かったもんな〜今回はまーちん以下だったし」
ぐさっ!
「たまたまだよ、たまたま。ねっ、あきらちゃん?」
次々と降ってくる矢にわたしの我慢が限界を迎えた。
「あーもううるさいな! そうですよ〜どうせ成績が悪かったんで家庭教師つけられたんですよーだ!!」
「プハハハ、うわ〜きらっち、やっちまったな〜」
「ご愁傷様」
わたしの言葉に大原以外の二人が笑いながら言ってくる。
く〜むかつくー!! これほどの屈辱があろうや!?
「で、でも家庭教師なんてあきらちゃんの家凄いね〜」
フォローのつもりか大原が無理やり気味に褒めてれるけど、もちろん全・然・嬉しくない。
「凄くない! どうせわたしの稼いだお金なんだし!!」
そんなんにお金使うんだったらわたしのお小遣い上げろっつうの!!
「まあ、いいじゃない。おバカアイドルとしてお茶の間で笑われたくないでしょ?」
うわっ〜なんかメチャクチャ毒吐いた!!
さすがのわたしもそんなことは言えない。
「てなわけで、きらっち勉強頑張りたまえよ。わたしたちがお前の分までちゃんと遊んできてやるからな〜」
「家庭教師とスキャンダルしないように気をつけなさい」
「き、きっとあきらちゃんなら成績が上がると思うから頑張ってね」
「薄情者ッー! 地獄に落ちろーっ!!」
わたしの悲痛な叫びも三人は笑いながら受け流した。