『冬の日』
1
まどろみの中、目を開けると真っ暗だった。
どうやら今は夜の真っ最中。
横ではわたしの未来の旦那さん(予定)のシンちゃんが静かな寝息を立てている。
「ごめんね、シンちゃん」
わたしは起こさないように、優しく体に巻きついているシンちゃんの手をゆっくりと解き、ベッドから出る。
目指す場所は一つ。
っていってもおトイレなんだけどね
おトイレも無事に終わって、わたしは飲み物を取るためにキッチンに移動中。
ようやくこの家にも慣れてきた感じ。
でもこの家も次の春にはお引越し。
そして次のその家がわたしとシンちゃんの本当の家。新居。
夢にまで見た、シンちゃんとの共同生活。
すっごく楽しみ
「心配だって、グッドナイ♪」
誰もいない廊下にわたしの、鼻歌が響く。
そして歌いきる前に、わたしはキッチンに連なっているリビングに出たの。