『冬の日』





 まどろみの中、目を開けると真っ暗だった。

 どうやら今は夜の真っ最中。

 横ではわたしの未来の旦那さん(予定)のシンちゃんが静かな寝息を立てている。



「ごめんね、シンちゃん」

 わたしは起こさないように、優しく体に巻きついているシンちゃんの手をゆっくりと解き、ベッドから出る。

 目指す場所は一つ。

 っていってもおトイレなんだけどね





 おトイレも無事に終わって、わたしは飲み物を取るためにキッチンに移動中。

 ようやくこの家にも慣れてきた感じ。

 でもこの家も次の春にはお引越し。



 そして次のその家がわたしとシンちゃんの本当の家。新居。

 夢にまで見た、シンちゃんとの共同生活。

 すっごく楽しみ

「心配だって、グッドナイ♪」

 誰もいない廊下にわたしの、鼻歌が響く。



 そして歌いきる前に、わたしはキッチンに連なっているリビングに出たの。





別の日常を見る        進める