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もぞり
「そうかーつかさは俺よりこたつの方が重要かー」
そんなことを本心で全く思っちゃいないけど、からかう意味も込めてつかさと距離を近付けつつ言ってやる
するとつかさは再びわたわたしだした。
「ち、違うんだよ〜シンちゃんは大好きだけど、こたつも結構好きだから、それで………
」
むにゅ
俺はつかさの手触りの良い両頬を軽く引っ張る。
「フォローになってない!」
「ごめんなふぁ〜い!」
これだけ頬を引っ張られても可愛い顔になるやつはそうはいない
それに免じて俺はつかさから手を離す。
「でも大丈夫だよ、絶対にこたつで寝たりはしないから! わたしはいつもシンちゃんと寝るんだもん」
第三者に聞かれたら、生暖かい視線を向けられるのが必至なことを臆面もなくいうつかさ。
でも結局絶対にこたつで寝ちまうんだろな、簡単に想像がつく
「というかこたつで寝ろ」
「えっ〜どうして!?」
わざとらしく視線を背けると、つかさがもう少しで泣きそうになるんじゃないかという顔で聞いてくる。
実に釣られやすい
だからついついからかいたくなる、程々にとは思ってるんだが、どうにもやめられない
「だってさ」
ぎゅっ
こたつの中で俺の手とつかさの手が繋がる。
「そしたら俺はつかさを毎日寝室まで、運ぶ権利が得られるからな」
つかさは少しだけ首を傾けていたけど、すぐにこたつよりもはるかに暖かい笑顔を俺に向けてくる。
「そっかー、じゃあ安心だねー」
こたついらないだろ
本当にそう思えるから困る
本当に暖かい
〜 F I N 〜