『初めてのイブ』





「よし、カンペキ!」

「お姉ちゃん、これ幼く見えない?」

 お姉ちゃんにコーディネートされたわたしの服は全部が白で統一されていた。

 普通の人だったらきれいに見えるこの格好も、わたしが着ちゃうと幼い感じがする………。



「大丈夫、つかさは白が似合うから! シンも見惚れるわよ」

「そ、そうかな?」

「そうよ。綺麗なつかさを見せて驚かせないと」

「う、うん! そうだよね! こうでもしないと、シンちゃんを他の女の人に取られちゃうもんね」

 なぜかわたしの言葉にお姉ちゃんは嫌な顔をする。



「そんな事ないない。あの無愛想な男に女が近付くわけないじゃない。

 だいだいあいつはつかさにベタ惚れなんだから」

「そ、そんな…わたしなんて全然ダメだもん………」

 最近シンちゃんが忙しくてデート出来ないけど、くっついていくのはいつもわたし、シンちゃんは優しくわたしを見てるだけだから、

 ……きっと、周りから見たら不釣合いなカップルと見られてるんだと思う。

「じゃあ何? あんたに負けた私達は女として最低ランクか?」

「そんなことないよ〜!」

 ジト目でこっちを見てくるお姉ちゃんにわたしは慌てて首と手を振る。

「だから大丈夫。自信を持てつかさ」

 そうだよ。付き合い始めた時からわたしが一番シンちゃんに相応しい女の子になるって決めたんだもん。

「う、うん! それじゃあ行ってくるね」

「シンによろしくね。つかさを泣かしたら私が黙ってないって」

 お姉ちゃんの言葉にわたしは笑いながら、外に出たの。





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