『子供に名前を』
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「ねえシンちゃん、この子の名前考えた?」
わたしはもうかなり大きくなった自分のお腹を愛しげに撫でながら、自慢の旦那さんのシンちゃんに尋ねる。
「いや、出産予定はもう少し先だろ? だからまだ考えてないな」
「私が名前決めていい?」
「その様子だともう決めてるみたいだな」
「うん」
シンちゃんが紅い瞳でこっちを見てくると未だにドキドキする。
こんな子供なわたしがお母さんになるなんて少し不思議。
そして不安…わたしのお母さんみたいに優しくて温かいちゃんとしたお母さんになれるのかな………
「じゃあつかさに任せるかな」
シンちゃんは笑って私の頭を撫でる。
奥さんにそんなことするもんじゃないよ、って何度も言ってるのにシンちゃんはそれを改めようとしない。
やっぱり嬉しそうにしてるのが良くないんだと思うんだけど…シンちゃんに頭を撫でられると、幸せな気分になっちゃう
そう、今みたいに不安も吹き飛んじゃう…だから仕方ないよね?
「でなんてつけるんだ?」
「それは内緒」
シンちゃんの問いに私は人差し指を自分の口に当てた。
「……産まれてからのお楽しみってわけか」
「うん! でね、シンちゃんは付けるとしたらなんてつける?」
「そうだな〜女だったら『るな』とか、かな」
少し考えたシンちゃんの口から出た名前を聞いてわたしは目をシパシパさせる。
そして一呼吸置いてわたしは口を開く。
「それってあっちの世界の彼女さんの名前から取ったの?」
「ああ」