『運命の日』




『ハァハァ………』

 ボク達は息を切らしながら走っていた。

 早く港にいってここから脱出しないと………。



 カラン



 すぐ後ろで音、そして声



『……の携帯!』

『そんなのいいから!!』

 携帯を拾うまできっと妹は逃げ様としない、そう判断したボクは携帯を取りに向かった。





 ドォーン!!



 ……流れ弾だったのだろう。ボクは携帯を拾った直後に爆風に襲われ吹き飛ばされる。



 ……そして、気がついたボクの目の前には………。



「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」





 ガバッ



 オレは悲鳴と共に目を覚ます。全身は寝汗でびっしょりだった。



「シン大丈夫?」

 恐らくオレの叫び声で起きたのだろう。

 こなたがオレ部屋のドアの前に立って心配そうな顔で聞いてきた。

「あ、ああ……悪い、起こしたな………」

「あー気にしないで……でも、夢でうなされるのは久しぶりだね」

 こなたの言う通りオレは最近こういった過去の夢を見なくなっていた。



 過去の事を忘れているというわけではないけど、オレは過去に縛られず、

特定の人達のお陰で今に生きれる様になったから過去の夢を見なくなった、そう思っていた。



 それなのに何で今になってあんな夢を――

「こなた、今日は何日だ!?」

 オレは思い当たる事があって、怒声ともいえる声でこなたに尋ねる。

「え? 今日は…6月の15日だね…あっ! 確かこの日は………」

 こなたの考えを肯定するためにオレは首を縦に振る。



 そう………、6月15日はオレの家族が死んだ日………。





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