『欲する望み』
1
頭に気持ちいい感触を感じながら、迎える覚醒。
「……ん、おっ………?」
目を開ける、と同時に少し驚愕。
目の前には岩、でも色は黒。
手を伸ばす、予想外に柔らかい。これは一体――
ペシン
「いたっ!?」
頭に衝撃、そして理解。
「いくらなんでもセクハラです!」
上からこっちを覗く、赤らめた顔。
そんな顔もいい
「な、何がそんなに嬉しいんですか!?」
「わるいわるい」
手に残る余韻、何とも言えない幸福感。
「……相手の同意がないのはただの犯罪です!
それに、……人を傷つけて楽しいのですか!?」
「っ!」
ブロックワード。幸福感から一気に絶望感。
体を起こしそのまま流れるように
土下座
「ご、ごめん、ホントに!! ちょっと、いや、かなり寝ぼけてて!!
別にオレは誰でもってわけじゃなくて―――」
「冗談です」
「……ハイ?」
追いつかない思考。
困った笑顔の彼女。
「ちょっと言ってみただけです。
ですがこれに懲りたら、無意識のパルマ、自重してください」
出来ていれば、拝領することがなかった称号『ラッキースケベ』。
「あ、ああ、気をつける」
「というわけで今日のはおあずけです」
頷いた形のまま、完全硬直。
浮かべられた笑みは小悪魔的で魅力的。
吐かれた言葉は主砲級な破壊力。
がっくりと肩を落とす。