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「こなたーAフィールド陥落の危機だとさー」
「うそっ!? どうして!?」
「さっき奇襲かけられただろうが」
「おのれ〜それがゲリラ屋の戦い方かー!!」
とまあ、こんな感じで程々の危険の元わたしのシンはラストステージに進んだ。
「ねえ」
「ん?」
残るはラスボスだけ、それも味方がフルボッコにしてるので、こっちには来られないだろうからわたしはシンの方を振り向く。
「シンはなんでわたしと一緒にいてくれるの?」
シンは赤い瞳をぱちくりしながらこっちを見てくる。
自分で言うのもなんだけど、私は口が悪い。それに親密になればなるほど遠慮がなくなる。
そう、今みたいに。
しかも女の子らしさなんてほとんどない。
私の親友達の方がはるかに可愛いくて女の子らしい。
それなのにシンは私の想いを受け止めて、その想いに答えてくれた。
そして私の勝手な行動に文句を言いながら一緒にいてくれている。
それが彼女としては最低な事だと自覚はしている。
ただ、私はこの方法しか知らない。
いきなりある日を境に友達から恋人同士になったのだ、今までの私は経験した事がない。
いきなり女の子らしくなるのはなんか違う気がした。
シンは素の私を好きになってくれたと思ったから。
でもシンが心の中でこんなはずじゃなかった、と思ってるのではないかとそんな考えが最近になって強くなっていた。
私はシンが好きだ、愛してる。何より、シンといると―――
「楽しいからな」
「えっ?」
「こなたといると気付いたらいつもオレは笑っている
それはオレが失ってたものでもっとも大切なものだと思ってる。
だからオレはお前の側にいるんだ、お前に取ったら勝手な事だけどな」
「ううん、そんなことない」
私もそうだから。
シンをからかうのも楽しいし、からかわれるのも楽しい。
シンと遊ぶ時も楽しいし、ご飯を食べるときも楽しい。
シンといると楽しい。
そしてシンも。
「こなた、いいから早くアイツを倒してレイを出してくれよ」
「おk、サクッといっちゃうよ〜」
だから私達はこうして一緒にいる。
「いや〜いいエンディングだった」
「シンはあれが倒されてたんならなんでもいいんでしょ?」
「人聞きの悪い事を言うなよな…おっ、スタッフロールが終わ………」
「シン良かったね〜これで某代表と金ピカが使えるよ♪」
「な、な、なんでだよ!? ふざけるなー!!」
「シン、近い、テレビ近い」
「離せ、こなた! オレはそこのソフトに用があるんだ!!」
ずっと一緒だよシン
〜 F i n 〜