「お団子を食べる日だってこと」

「ああ、団子かコレ」

 1つ摘むと柔らかい手触り、そしてよく見ると丸ではなく楕円。

「む〜突貫作業だったからね、んなもんだよ」

「オレの為に?」

 わざとらしく聞いて、団子を1つ口に入れる。

 こなたが自分1人の為にこんな手の込んだことをするはずがない。

「そうだよ〜だから味は愛情だけ☆」

 確かに味はほぼ無い、はっきりいって美味しくない。

「軍の非常食でももっとマシだな」

「そこは美味しいと言ってよ」

 減らず口をたたくこなたの口に団子を放り込んでやる。

 こなたは一通り咀嚼してから飲み込むと

「確かに、びみょ〜」

「だろ?」

 オレにつられてこなたも笑う。

 月の夜は笑いがよく響くなんて初めて知った。

 明日近所の人が怒鳴り込んでこないことを願うばかりだ。





「じゃあコレを食べたら寝るかな」

「だね、お粗末様でした」

 オレとこなたはお互い、最後の団子を口にする。

 うん、やっぱり美味しくないな

「明日起きれるか心配」

「大丈夫だ、オレが起こしてやるさ、いつものことだからな」

「おk、期待してる」

「おまっ自分で起きる気0か!?」

「だってシンがいるしね〜」



 答えを急いで無理に出さなくたって

 迷いながらでも進んでいったら

 いつかは見つけられるかもな



「……シン?」

「まっ、そうだな」



 オレは月が見えるベランダを閉めて、こなたの後に続いた。





〜 f i n 〜   






戻る        別の日常を見る