『LAST DAY』
1
「ただいま」
玄関を開けて帰ってきた声は重い。
徹夜明け
現在の今のオレの状況だ
世間ではこの1週間、休日が続くためG.w.と呼ぶらしい。
オレはこの期間を3日前はつかさと、一昨日をかがみと出かけ、昨日はみゆきと不慮の事故の為、夜の間中一緒にいていた。
(決して何もしていないのはザフトの赤に賭ける)
そして最後の休日つまり今日、オレはこなたと遊ぶ約束をしていた。
「なんで最後の日がよりによってこなたなんだよ………」
力ない足取りで家に入る。
こなたと遊ぶには4人の中で1番エネルギーを使う。
できれば今日くらいは穏便に…行かないだろうな。
溜め息が出るのを押さえながら台所に向う。
こなたの事だからオレを何らかのイベントに引っ張っていくに違いない。
だけど、例え秋葉にイベントに行くにしてもまだ、2,3時間は寝れる。
こうなったら朝飯を食べて少しの時間でも寝よう。それがオレに今出来る事だ。
それにこなただけ他の3人の時よりもテンションが低い状態で遊ぶのは、オレの気持ちが許さない。
あの4人とは最高の状態で接したいんだ。
「ああ〜シン、帰ってきたんだねー」
台所にはすでに1人の先客がいた。
自身の髪よりも顔を青ざめたこなただ。
「ネトゲか」
「祝、二日間完テツ」
力なくVサインを出すこいつになんて声を掛けたらいいものか。
「馬鹿だろ、あんた」
取り合えず1番正しいと思われる答えを言っておく。
「はっはっはっは、てなわけでシン、予定より遅れて昼過ぎからスタートってわけでおk?」
了解の意味を込めて肩を竦んでみせる。それを見てこなたは満足気に頷く。
……まさか、オレの体調を気にしてこんな事を………
「いや〜さすがに連続イベント参加に、連続ネトゲはキクね〜
あっ、シン目玉焼きは半熟でヨロ〜」
ないな、うん
それよりも、オレがこなたの分の朝飯まで作ろうと見透かされてたのは悔しい。
「どったの?」
「なんでもない」
こいつは多分そんな事に気付いてないんだろうな
まあ、計算してやってないからはるかにマシだ。
計算じゃないからこそ、オレの心に入ってきた。無遠慮に。
「ほらよ」
「うわ〜い! う〜ん美味美味」
「そりゃ、どうも」
それだけ言うと、オレ達2人は静かに朝飯を食べる。
さすがにお互い残りエネルギーが0に近い状態ではいつもの様に騒げない。
けどたまにはこんな朝食もいいだろう
「そういや、今日は―――」
顔を上げると、だらしなく口を開けたこなたの姿があった。
「……誰が部屋に運ぶと思ってるんだ………」
日頃オレに、空気が読めない、女心が分かってない、って言ってるわりに、自分も全く分かってない。
自分がどれだけ重い存在かを
「ったく、重いよな」
起きたらデコピンの一発でもかましてやる。
オレは背中にいるマヌケ面に、そう誓った。