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「さて続きやろ〜」
上着を取ってきたこなたはびっくりするくらい普通だった、いつものユル〜いこなただった。
あまりにも簡単に戻ってきたので、あれはエアコンが魅せた幻とすら思えてくる。
「どったの? ほらほらコントローラ持って、今度は言い訳なしだからね☆」
「ふん、吠え面をかかせてやる!」
さすがにこう振舞われたらオレとしても、何事もなかったようにしないといけない。
しかし
「期待してるよ〜
じゃあ始めようぜ、おれとお前とで究極のファイトってやつをな!」
本当に普通だな
さっきのリアクションも案外、恥ずかしいというよりもみっともないと思っての行動なのかもな
最近は女の子らしくなってきたと思ったけど、やっぱりそう簡単には変わらないか
でもまあ、さっきのこなたは掛け値なしに可愛いかった。元々こなたは見た目は悪くない。ちょっと背が小さいだけで
「シン、弱くねぇ?」
「うるさい! 黙れ!!」
いつもあんなんだったらとは一瞬思ったけど、それはそれでこんなにムキになって、ゲームを一緒にする事はないだろうしな
だいたいいかにも女の子みたいなやつだったら、オレがここまで変われなかったはずだ。
「よし勝った! 見たか!」
「うわ〜一回勝った位でよくそこまで喜べるね〜
シンってあれでしょ? 一回勝ったら今まで負けたこと忘れれるタイプ」
「はいはい、負けたやつが何を言ってもオレは怒らないぜ」
「よかろう、てめぇはおれを怒らせた」
こんなやり取りが出来て、それが楽しめると思えるようになった。
それが出来るようになったのは、いつも変わらずに接してくれた
大切な人がまた出来たきっかけをくれた
こいつのお陰
「ありがとな」
「うぇぇぇ!? いきなりお礼とか言われても、ついてこれなくて涙目なんですけど………」
困惑するこなた、でもその顔にはどこか愛嬌というか魅力がある。
人を引き付ける、そしてそれはオレも例外じゃない
「そうだシン、明日も暇なんでしょ?
アキバ行こ、アキバ!」
やっぱりこいつは変わらない、つくづくそう思う顔だ