なんともいえないもやもや。これは日付が変わったっていうのに、未だにわたしの中に生息していた。

 そりゃシンは悪くない、ちゃんとプレゼントも買ってきたし、わたしが欲しがってたソフトだ。

 こなたんくやこなタイタニアといった、斜め上に気合いの入った創作ガンプラを送られても正直困る。

 でも、足りない、何かが。



「……速さとか?」



 後悔するんだったら、シンにはちゃんとしたものをリクエストするんだった。

 あっちは恥をしのんで聞いてきてくれたのに………



「先生は、……さすがにインしてないか………」



 そんな気持ちからわたしはこんな深夜になっても、ネトゲを止めれない、止まらない。



「……そういえば、シンにお礼言ってないや………」

「まあまだお礼されることはしてないからな」

「シ―――」

 わたしの口を封じるシン。

 さすが元赤、武闘の心得があるわたしに気配を気付かせないとは



「って、どうしたのこんな夜に?」

「まだ彼氏としてのプレゼントが残ってるからな」



 シンはそう言って悪戯な笑みを見せた。





「じゃあこれ着ろ」

 と、シンが渡したのはライダースーツ。

「別にいいよ、着ると暑いし」

「今日はかなり飛ばすからな、着ないと凍え死ぬぞ」

「はいはい」

 仕方なく、わたしはライダースーツに袖を通す。

 ……あれ、このスーツ………



「それとこれな」

 今度のは放り投げずに渡してくるシン。

「お〜インコム、インコム」

「インカムな

これ付けといたら、走行中でも話せるし」

「へ〜そりゃ便利だね」

 でもこんなのシン持ってたっけ? 新しく買ったのかな………?



 わたしはフル装備して、シンの愛車にまたがる。

 それを見届けシンは、アクセルを回す。



『絶望がお前のゴールだ!』

『いやダメだろ、この場合』



 インカムのテストも終わり、バイクは進み出した。





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