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「今度、大きな声出したら退室だってさ」
図書の先生にこっぴどく叱られ、オレはかがみを睨む。
「どこにいこうかしら……あそこに、いや……」
だけど当のかがみはブツブツとうわ言を呟いていた。
日頃優等生で通ってるかがみからしたら怒られたのはショックだったんだろうか
「なあ、かがみ。このト・ク・カ・ワ・イ・エ・ヤ・スってのはなにを建てたんだ?」
色々と心配の中、勉強会を再開しオレはかがみに再び分からないところを尋ねる。
そしてかがみは教科書の方も見ずに、頷きながら答える。
「基本は○王国よね〜………」
「ネズ○○国? ふ〜ん、そんな昔からあるんだな、あそこ」
さすがかがみ、動揺してる様に見えるけどそんな事はなかったらしい
それよりも、あそこはもう400年近くもあることになる。
でもこいつネズミというより、タヌキに見えるんだけどな
相変わらず日本史というやつは疑問だらけだが、この世界出身じゃないオレには分からない、何か深い事情があるんだろ
「じゃあ、このカ・ツ・シ・カ・キ・タ・サ・イは何を描いたんだ?」
とはいえこれで3点くらいはUPのはずだから、赤点パスまでもう少しだ
オレは続けてかがみに尋ねる。
「東京タワーからの夜景とか………」
「へ〜夜景の絵って珍しいな」
それに確かこの東京タワーってのは入るのは有料じゃなかったか?
絵のことは知らないけど、1日やそこらで出来るわけないし
こいつは結構金持ちだったんだな
なんかツッコンでたら、親近感が湧いてきたな
この調子でやったら赤点どころか、成績上位者に名前が載るかもな
もしかがみを抜いちまったら、悪い事をしちまうな〜
そしてオレは軽い気分で日本史の試験を迎えた。
「というわけでバッチリだな」
「はぅ〜いいな、前回良かったから、わたし油断しちゃったよ〜」
残念ながら、英語の補習が決まってるつかさが羨ましそうにオレを見てくる。
なんか、もの凄く優越感を感じるな、うん
「アスカ・シン」
名前を呼ばれてオレは意気揚々と教壇へと向った
「はい」
渡されるテスト用紙、でもなぜか先生の顔は暗い。
きっと点数が良すぎていびりがいがないんだろう
これはかなりいい点数だろうな
オレは視線を用紙の上へと上げていく
そこには赤ペンで点数が書かれてた
『23点』
「えっ?」
そんなバカな!?
かがみの教えてくれたところは結構出てたし、自分でかなり勉強もした(ここが重要)。
なんでだ! どうしてだよ!?
意味わからんー!?
「……お前を信用したオレのミスだな…………」
涙目の先生、固まるオレ
こうしてオレは『イブ戦争』に挑むことになったのだが、それはまた別の話。
〜 e n d 〜