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「というわけで、会えるのは多分一ヶ月に一回くらい」
「えっ、そんなにか………」
「ご不満?」
「い、いや………」
予想以上の会えない期間に戸惑うものの、もはや主導権はかがみに移っていた。
勝ち気がMAXになってるかがみ相手だと、全く勝てる気がしない。
「そうだ! オレがかがみの家に遊びに行ったら」
「あんた、協力する、言ったわよね?」
「じゃ、じゃあオレの家」
「身の危険を感じるから却下」
「どういう意味だ!?」
「自分の顔を見なさい」
慌てて顔を触り気付く、さすが弁護士志望見事なカマカケだ
「うわ〜ホントだったんだ」
「なっ!? ていうかなんでそんなに機嫌悪いんだよ?」
いくらオレとかがみの口ゲンカがしょっちゅうだからって、キスの後にこれはさすがにないんじゃないか………?
しかしかがみはプイッと首を背けてしまう
そして小声でボソリ
「慣れてた」
「はっ?」
「キスすっごく慣れてた」
「まあ初めてじゃないしな」
「私、初めてだったのに………」
それはオレのせいかよ!?
でもそんな言葉を完全に拗ねモードのかがみに言えるわけがない
最も反論しないのは、拗ねてるかがみが普段とはまた違うかわいさを持ってるってのもあるけど
とはいえずっと拗ねられていても困る。
やっぱりかがみには笑っていてて欲しい
要するにかがみはキスするのを慣れたいわけだ
オレの方はもちろん文句はないし
だったら―――
「じゃあ練習な」
「えっ?」
オレはそうしてかがみの口をふさいだ
〜 F i n 〜