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そしてかがみはそっと唇を離しオレの手を自分の胸へと持っていき、触れさせる。
「か、かがみ!?」
「ドキドキするでしょ? ……私もドキドキする………それが分かる?」
柔らかい胸の感触から、かがみの鼓動が感じる、それはとても速く、とても熱く感じる
それは何度も感じた感触
「あ、ああ………」
「それが分かるんだったら、あんたは私と一緒よ、何も変わらない」
そしてかがみはにっこりと微笑む、美しく優しく
本当はどうか分からない
オレがアニメの世界から出てきたのか
偶然、オレの過去と全く同じ話がこの世界にあったのか
ただ分かっているのは、オレの愛してやまない人が
オレを一緒だと言ってくれた
だったらオレはその言葉を信じる
「オレは、かがみを好きでいていいのか?」
「うん!」
「オレはかがみの側にずっといていいのか?」
「うん!」
「オレは………」
「後何回あるの、それ?」
苦笑交じりのかがみの質問にオレは固まる。
まだまだたくさんある
けどどれも同じやり取りばっかり
そういう時は
かがみの眼を見ると、そこにはオレと同じ事が書いてある。
全てをこなせるもの
感謝も
お詫びも
好きだって
愛してるって
全てを1つにして伝えられる方法
今までオレとかがみがしてきた方法
オレは目を瞑る
そしてきっとかがみも
自然にオレは首を傾け、かがみを求める
そしてきっとかがみも
そして触れたらしばらくは離れない
そしてきっとかがみも
オレ達はきっとこれからも、大きな壁を越えるたびにこれをするんだろう
〜 F i n 〜