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「聞きたい事があってさ………」
「………」
かがみはこっちに振り返ってくれたものの、何も話そうとはしない。
しばしの沈黙…意を決したオレは口を開いた。
「…オレの事、どう思ってる?」
「ど、どうって…そんなの今更言っても………」
予想通りだったが、かがみの返答はオレに遠慮して歯切れが悪いものだった。
だがオレも引き下がるわけにはいかなかった。
「もう何を言われても不様に逃げたりしない! ……だから言ってくれ!!」
「な、なんでよ? ……な、なんでそんなに聞きたがるの? ………」
「オレさ、知ってると思うけど諦めが悪いんだよ。……だから、アンタの口から直接聞くまでは、諦めないからな!!」
「……じ、じゃあ、もし、あんたの考えてる事を私が口にしたらどうするの?」
「……その理由を聞くかな……それでそういうところは無くしていくように努力する。」
「…………」
理由を考えているのか、かがみは黙ってしまった。
きっとかがみの事だから、どうすればオレが傷つかない様に言うか考えてるんだろう。
こういう場合だと優しすぎるってのも問題なのかもな。
「言いたくなかったら別にいい。言われても、それを治せるかはわかんないしな」
「…………」
努めて明るく言うオレ。だけどかがみは相変わらず、難しい顔したまま一言も話さなかった………。