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「ちょ、ちょっと待て!」
顔を伏せ、今にも泣きそうな状況になっているかがみをオレは慌てて止める。
どうやら勘違いをさせてしまったらしい
「別にオレはそんなかがみの姿が悪いとは言ってないだろ」
というよりは逆。
今までオレ達の中でもしっかり者のイメージだったかがみ。それは付き合っても変わらなかった。
だけど徐々にかがみはオレに対して、『素』の部分を見せる様になっていた。
日常のかがみ。それを見る度にかがみがオレに対して、心を開いていってくれてると感じていた。
だからそんなネガティブな顔をされるのは、正直困る。
「……ほんとに………?」
「嘘なんか吐くかよ、2人しかいないんだぞ?」
かがみと恥ずかしさからくるケンカも楽しいけど、2人だけの時はなるべく素直にいきたい。
オレはかがみを抱き寄せる。
かがみの持っているラノベが落ちる音がかすかにだけど聞こえる。
「たださ」
「……ただ?」
「スカート穿いてる時に足を頻繁に組み替えるなよな」
「うっ、あっ………」
「め、目のやり場にこ、困るだろ!!」
こっちを恥ずかしそうに見てくるかがみが、あまりにもか弱くて、可憐だったので、オレは思わず口ごもる。
どうやらだらしがないのはオレもらしい。
それでもかがみの方はそのことに対してツッコミを入れることはせず、今度は顔をオレの胸に埋める。
どうやら恥ずかしすぎて、オレの顔を見れないらしい。
こりゃ当分はこのままだろうけど、不満はもちろんない。
また彼女であるかがみの新しい顔が見れたのだから
〜 F i n 〜