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一応成功したのか?
オレは電車の席で揺られながら自問自答していた。
最初は喜んでくれるか不安だったけど、2人ともどうやら楽しんでくれたみたいだし。
こて
左の肩に重みを感じたので振り向くと、つかさがオレにもたれかかっていた。
「くーくー」
午前中はなんか考え事してたみたいだし、疲れが出たんだろ
「見ろよかがみ、つかさのヤツ―――」
こて
右側に座っていたかがみに話しかけようとすると、その体がオレの方に傾いてくる。
「すーすー」
かがみ、あんたもかよ!?
周りを見ると、何人かの男達が羨ましそうにこっちを見ていた。
その視線に居心地の悪さと照れ臭さを感じたオレは2人を起こそうとする。
………。
どうやって?
耳元で小声で囁いたら後で、特にかがみになんと言われるか………。
それにそんな恥ずかしいマネとても出来ない。
かといって手を使って起こすのも、両肩にもたれかかられてる状態では動かす事が出来ない。
「くーくー」
「すーすー」
「……まあいいか」
オレは少し考えて起こすのを諦めた。
終電まではまだまだ時間はある。多少の寝過ごしなら大丈夫だろう。
それに何よりもう少しだけ、この2人の寝顔を見ておきたい。
これだけの寝顔はそうそう見れるものじゃない。
「かがみ、つかさ、ちょっと早いけど、誕生日おめでとう。
これからも2人仲良くしてくれよ、もちろんオレにもな」
オレの言葉に寝ていて聞こえないはずの2人がにっこりと微笑んだ。
〜 f i n 〜