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「どーするかねー」
家に帰ったワタシはネタ帳を机に開ける。
今日だけでほぼ新品だったノートが、もう残り何枚というレベルにまでなってしまった。
もう出るわ出るわ、苦労話やら惚気話やよく分からないのが×四。話してる方は幸せだと思うけど、聞いてる方は………。
とはいえこれも全て自業自得
ぺらっ
ワタシはノートのネタを改めて見やる。
こんなにも話のネタになるのがあって正直羨ましい
自分だったらきっとノート五枚程度で終わってしまうだろうから
「さーて、ネームくらいはやっときますかー!」
そろそろ冬コミの準備も入らないといけないし、関係ないものはとっとっと片付けておきたい
今回に限ってはネタは豊富にあるから、生みの苦しみってのははいつもよりはないだろうけど、胸の苦しみはきっといつも以上
とはいえあれだけの想いをぶつけられて逃げたのなら、私は失格だ
作家として、女として
だから、あの四人が真っ赤にさせるようなくらいのものを描いてやるっス!
でもそうなると
「こりゃ、かなり遅れそうッすね〜」
私は自嘲的な笑みを浮かべ、使い慣れたペンを手に取った。
〜 f i n 〜