『ひよりんフラグ建ち計画』
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「ひより〜ん、この前出してくれた作品なんだけど〜………」
「……なにか悪いとこでもあったっスか?」
ワタシは恐る恐る、我がアニ研部の部長の八坂こうことこうちゃん先輩の顔を見上げる。
こういう言い方をする時は大抵良くないというのは経験とそして作家としての勘。
「キャラクターやストーリーはいいんだけどね〜、何かが足りないんだよ〜」
「は、はあ………、で?」
「うん。一言でいうと、書き直し〜」
「うえ、書き直しっスか!?」
「そう」
こうちゃん先輩は普段は気さくで頼りになる先輩なんっスけど………、部活に対してはどっかの村の部活の部長くらいに厳しいっス!
「う〜む………」
確かに改めてみるとなにかが足りないような気が………、でもそれがわからん! ヤ、ヤバイ! スランプか、ワタシ!?
「心理描写じゃないか?」
「えっ?」
口をはさんだのは、やる気なさそうにタバコをふかしてるアニ研顧問の桜庭ひかる先生だったっス
「田村の作品を見させてもらったが、恋愛のところの描写に説得力がない」
ガーン!!
「ああ、なるほど! こういうのは経験が大事っていいますよね〜」
グサッ!!
こうちゃん先輩によってキズついたワタシの心はトドメを刺される。
「あれ、ひよりん? ……ひょっとして………」
「え〜え〜!どうせワタシは生まれながらの腐女子ですよ!!!」
「メンゴ、メンゴ! そんな涙目にならないでよ〜」
「しかし、いい機会じゃないか」
「は?」
「学校生活で彼氏つくっといた方が思い出になるぞ
まあ、私には関係ないがな」
と言ってタバコをふかす桜庭先生っスけど、そんな簡単に出来たら苦労しないっスよ………