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しかし、『シン・アスカ』ってこんなキャラだったけ?
ワタシは少し前を歩くアスカ先輩を見る。
ワタシを騙す意味もないし、恐らく本物の『シン・アスカ』なんだろうけど………
声とか容姿とかは一緒だけどワタシが知ってる『シン・アスカ』より性格がコミカルというか、丸くなってるというか………
「どうしたひより? 考えごとか?」
歩くのが遅れているワタシにアスカ先輩が声をかけてきたっス。
「あっ、いや、アスカ先輩ってこっちの生活に慣れてるからもう長いのかな〜って」
「だいたい1年半かな?」
「ずっと泉先輩の家に?」
「ああ、こなたやそうじろうさんにはお世話になりまくってる。他にもお世話になってるのはいるけどな」
恐らくその人たちのお陰なんっスね、『シン・アスカ』がこんな顔するのは………
しかし笑顔ってそんな見たことないから分かんなかったっスけど、爽やかっスね〜
「ひより、そんなにぼーっと歩いてるとコケるぞ」
「あはは、すみません。
ってさっきから気になってたんっスけど、なんで下の名前で呼ぶんですか?」
「ん? 普通だろ?」
「あ〜そっか! C.E.世界だと普通なんですよね」
ということは…ワタシ、アニキャラに名前(しかも下の名前)で呼ばれてるー!?
ゲェー!!! 腐女子の夢じゃん!!!
まあ、注文を言えば、白夜兄様とか手塚部長とかルルーシュとかに言われたいっスけど………
「何、さっきから飛んだり跳ねたりしてるんだ?」
「いや…あの…次のネタを考えてまして………」
「なんだ? オレがモデルか?」
「ええ」
何はともあれせっかくの良素材、これを使わない手はないっスよ!!!
「題して『シンとレイのBL(仮題)』!! あだっ!!」
ワタシの頭にアスカ先輩の無言のチョプが振り下ろされた。
〜 f i n 〜