15
自分の愚かさには本当に腹が立つ。
別に迂闊な発言をしたことにじゃない
自慢じゃないけど私はライバル達に比べると圧倒的に、あいつを怒らせてる。
あれくらい何回もあったし、あれ以上にまずいことを言ったことも一回や二回じゃない。
腹が立つのは、あの後特に私があいつに声を掛けなかったことだ。
あいつが今日はいつもと違う感じなのは、会った時から感じてた。
なに、柄にもない顔してんのよ?
そうやってはっきり聞く。
例えぶつかって、ケンカしても。
それがあいつのことで私が皆より唯一勝ってる点。
私とあいつはそうやってお互いのことを少しずつ理解してきた。
つかさやみゆきやこなただってそう、皆自分なりのやり方であいつと理解し合っていった。
でもまだ全然
私達はまだ誰一人あいつのことを完全には分かってない。
知らないことがまだまだある。だからもっと知りたい。
だから続けてきた、自分なりにあいつとの距離の縮め方を
そしてこれからも
絶対にこれからも
「――!?」
一瞬、握っていた携帯に手の力が伝わったのかと思った。
でも違う、私の携帯は今確実に震えて、メールの受信を伝えていた。
件名は
みつけた