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 自分の愚かさには本当に腹が立つ。
 別に迂闊な発言をしたことにじゃない
 自慢じゃないけど私はライバル達に比べると圧倒的に、あいつを怒らせてる。
 あれくらい何回もあったし、あれ以上にまずいことを言ったことも一回や二回じゃない。
 腹が立つのは、あの後特に私があいつに声を掛けなかったことだ。
 あいつが今日はいつもと違う感じなのは、会った時から感じてた。
 なに、柄にもない顔してんのよ?
 そうやってはっきり聞く。
 例えぶつかって、ケンカしても。
 それがあいつのことで私が皆より唯一勝ってる点。
 私とあいつはそうやってお互いのことを少しずつ理解してきた。
 つかさやみゆきやこなただってそう、皆自分なりのやり方であいつと理解し合っていった。
 でもまだ全然
 私達はまだ誰一人あいつのことを完全には分かってない。
 知らないことがまだまだある。だからもっと知りたい。
 だから続けてきた、自分なりにあいつとの距離の縮め方を
 そしてこれからも
 絶対にこれからも
「――!?」
 一瞬、握っていた携帯に手の力が伝わったのかと思った。
 でも違う、私の携帯は今確実に震えて、メールの受信を伝えていた。
 件名は
 みつけた