『雪の試練』





 ジリジリジリジリジリン!!



 いつもより早い時間にセットした目覚ましを止めて、私はベッドから身を起こしました。

 そして気付きました。

 カーテンの隙間から見える景色が黒と白だけであることに。



「雪ですか………」

 カーテンを開けると、思った通り白銀の世界が広がっています。

 この様子ですと、いつも利用している交通機関に影響が出るかもしれません。



 センター試験の日は必ず雪が降る



 初日はそうではなかったのですが、やはり格言通りとなってしまいました。

 もっともこの格言は全国天気の統計を取れば、気のせいなのですが

 とはいえそんな格言があるくらいですから、私達も集合時間にはかなり余裕をもっているのでそこは心配ないと思います。



 ただやはり雪は降ってほしくありませんでした

 せめて今日だけは

 あの方が苦手な雪が



 大丈夫です



 私は首を強く振り、眠気と嫌な考えを振り払います。



 あの方は強い方です

 それに私だけではなく、かがみさんもおられます



 だからきっと大丈夫です



 私は改めて集合時間の確認をかがみさんとあの方に



 そして今日のことをかがみさんだけにメールで送りました。





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