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「あの様子だと、私達の戦いはまだまだ終わりそうにないわね」
「だね。これだったら見なくてもよかったよ
でも『ツインテ』、今の言葉打ち切り漫画の常套句だよ」
『ツインテ』も『konakona』もシンの八方美人的な答えに不満タラタラだが、同時に今の段階で決着つかないことへの安堵、
そして好きな人から『守る』と言われた、嬉しさが動作の端々から感じられた。
そんな天邪鬼な二人を見て『ドジりぼん』と『天然萌え』はお互いの顔を見合わせ微笑みあう。
ガラ
「ハァハァ、い、いた! お前達! こんなとこにいたのかよ!」
会議室に息を上がらせながら入ってきたのは、先ほどのビデオの中心人物、シン・アスカだった。
「シンちゃんどうしたの? そんなに慌てて」
「バカ! お前達4人とも姿が見えなかったから探してたんだよ!!!」
「す、すみません!御心配をおかけして………」
「え、い、いや、ち、違う!! 心配なんかしてない!! オ、オレは一刻も早く帰りたかっただけだ!!」
『天然萌え』の言葉を慌てて否定するシン。しかしその言葉を真に受ける者はこの場には誰もいない。
むしろ少女達にはそんな正直ではないシンに愛おしさすら覚える。
それは盲目であると理解していながら。
「あーもう! とにかく帰るぞ!!」
『はーい!』
返事と共にシンの元に駆け寄る少女達。
そしてシンは歩き出す、大切な少女達と共に。
〜 f i n 〜