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「地図を渡すのはいいけど縮尺書いたのにしなさいよ、すぐと思ったら駅から一時間も掛かっちゃったわよ!」
「ハァ、別に歩けない距離じゃないだろ?」
「帰りはどうすんのよ!?」
「歩いて20分もしたらバス停があるって」
「遠いわ!」
「お得意のしゃべりながら帰ったらすぐだろ?
つかさ、弁当の方は?」
「うん、ほら!」
改めて見るとつかさ以外にもみんな手に重箱を抱えている。
「作り過ぎじゃないか」
「えへへ、張り切り過ぎちゃった」
「大丈夫、主にシンとかがみが食べるから☆」
「まったくやっぱりつかさはどっか抜けてるな」
「あんたが言うな! 場所はあそこよね?」
オレが頷くのを確認すると、かがみ達はそこに荷物を置きに行く。
確かにあれを持って長時間歩かせたのは悪い事をした。
「お疲れ様です、シンさん」
「ん、ああ」
「シンさんのお陰で楽しいお花見になりそうですね」
「えっ?」
オレはあのわずかな会話を楽しいと思った。
その前までオレはすごく悩んでたはずだった。どんな顔をして話したらいいのか迷ってたはずだった。
そんなのは些細なことなのか?
オレはひょっとして―――
「いいや」
「シンさん?」
「なんでもない」
答えを慌てて無理矢理出す必要なんてない
そもそも元の世界に戻る方法もまだなんにも見つけちゃいないんだから
「行くぞ、みゆき」
「はい! 皆さん待っておられます」
だから今は
今を楽しむんだ!
〜 f i n 〜