8000キリ番リクエスト作品
『ストレス解消 フラグ回収』
「シン、お客さんだよ」
「オレに?」
休み時間、白石と理想の結婚生活というお題で熱くなっていたオレを、こなたが呼びつける。
教室の扉を見ると、一人の見慣れぬ少女が立っていた。
全く知らない子、ではないけどあいつ達程に見飽きてるというほどのもんでもない
確かあの子は
「で、なんだったの?」
「何が?」
「さっきの休み時間にきた女の子」
「別に」
「別にはないっしょ〜」
「ほんとだって」
少女は偶然バイト帰りで会っただけだった。
転んだらしく足を捻ってたので素通りってのもなんだったし、バイクに乗せてその子の家の近くまで送っただけ。
ただそれだけのことだった。
「じゃあ、それは?」
だけどこなたはなんか納得がいかないらしく、なおも猜疑の目をオレに向ける。
ちなみに『ソレ』とは、少女がお礼にと持ってきてくれたクッキーである。
「なんにもない子がそんなん持ってくる?」
「別に、ただ助けたお礼だろ」
「なに、助けたの? 女の子を?」
「ああ」
「昨日言わなかったじゃん!」
「わざわざ1から10まであんたに報告しないといけないのかよ?」
さすがにしつこいこなたにオレも少しばかり頭にきた。
確かにこの世界に来た頃のオレだったら、色々と危なっかしいしそんな心配されても仕方ないけど、
この世界に来てもう1年以上経っている。
いつまでもオレの保護者面はやめろと言いたい。
「そりゃあね」
「なに?」
高圧的なこなたの態度に、オレ達の間に不穏な空気が流れる。
「だってシンのフラグメイクは聞いておかないと、ギャルゲ主人公体質なんて三次元ではそうはいないからね〜」
が、それは一瞬だった。
こなたはいつもの、ユル〜イとしかいいようのない顔でオレに顔を近づけてくる。
だから
「言ってろ」
「あだ、あだだだだだ!!」
オレもいつもみたいに、デスティニー直伝のパルマフィオキーナをこなたの顔面にかましてやった。