「なるほど。そういう事か………」

 皆に引っ張られるようにリビングに連れてこられたオレは納得の声を出す。

 どうりで朝からこなたのヤツが落ち着かないと思っていたら………。

 リビングには大きく『誕生日おめでとう』と書かれた垂れ幕が下げられ、辺りには紙リボンやらが飾られていた。



「大げさだな、誕生日くらいで」

「……お気に召しませんでしたか?」

「んなわけないだろ。嬉しいよ、少し恥ずかしいけどな」

 不安気に見てくるみゆきにオレは笑顔で返す。



「お兄ちゃん」

「……お誕生日おめでとうございます………」

 ゆたかとみなみが誕生日プレゼントをオレに渡してくれる。

「これ…そうか、さっきの買い物はオレへの誕生日プレゼントだったのか」

「えへへ」

「……すみません…黙っていて………」

「いや、いいよ。ありが――イテッ!?」

 後ろからきた痛みに振り返るとかがみが立っていた。

「ヘラヘラして馬鹿じゃないの!? ほら私からのプレゼント」

 そう言うとかがみはプレゼントを投げて渡す…何怒ってるんだかがみは………?。

「むう、みなの者かがみに遅れを取るなー!」

「シンちゃん、えっとね、えっとね…いつもありがとう!!」

「シンさん、誕生日おめでとうございます。これはつまらない物ですが………」

 こなたの檄につかさ、みゆきが続いて、一気にプレゼントを渡してくる。

 このままだと………



「……悪い、誰か手伝ってくれ…前が見えない………」



 オレの視界はラッピングされた箱しか見えなくなっていた。





6に戻る   別の日常を見る    進める