「で、アキバには行くのは何が目的だ?」

「えっ? えーとねーそれは………」

 はっきり言って特に理由などない

 私が無理なくシンを誘えるのがここだけだから

 だから理由を必死に考える。

 それも気付かれないように



「どうせお前の事だから」

 そう言うとシンは笑ってわたしの頭をくしゃっとなでる。

 つかさとするのと違って優しくはないけど、私にしかしないやり方。



「アキバの全店を回るのが目的、とか言う気なんだろ?」

「あはは〜バレた? わたし一人じゃ物持ちきれないだろうしさ」

 わたしは調子よく会話を合わせていく。

 勝手に勘違いしてくれてるんだから、これを使わない手はない。騙される方が悪い!

 と開き直るものの、シンの中では未だに私は人使いの荒いやつという認識なのだろうか?

 それはそれでやだな〜





「まあ、お前といると退屈しないからいいけどな」

 シンの言葉に私は不自然じゃない程度に顔を背ける。

 今はマズい、シンの方を見たらバレる

 自分がどんなに喜んだ顔をしているか



 今の言葉って私といたら楽しいって事だよね? ね?

 だってとっても嬉しそう声だったし!



 やばい本当に、にやにやが止まんない

 でも、まだ、まだ、我慢



 真のエンディングの為にまだ我慢



 はい、深呼吸



 よし



 私よ! 私の真の恋、成就のため『いつものわたし』は帰ってきた!!



「うん、わたしもシンといると退屈しないよ」



 それを聞くとシンはさっきよりも少しだけ強く頭をなでてくる。

 やっぱり嬉しそうに





 真のエンディングまで後何フラグ?





〜 f i n 〜   






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