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「大丈夫? 持てる?」
「これくらいなら大丈夫だ」
私とこなた達はこの駅で別れる為、私が持たされていた荷物を渡すのだが………。
「シンはこれくらい余裕ですよ。かがみんにはそれが分からんのですよ!」
自分が持つわけでもないのに胸を張るこなた。
『お前が言うな!!』
「……な、なんというシンクロ…これはお二人さんフラグ建ちましたな」
私達の行動を見てニヤリと笑うこなた。
「……フラグって、あれか、こなたがよくやってる………」
「……でしょうね………。ほんとにくだらん事だけは考えつくんだから………」
「……アンタ、こんなのとよく付き合ってたな………」
「これからあんたも付き合う事になるから………」
私達は小声で話し合った後、互いに溜め息をついた。
「じゃかがみー、バイニー☆」
「明日遅刻するなよ」
「分かってるって♪」
袋の中を見ながら、軽く返事をするこなた…絶対明日遅刻するわね…こいつ。
「じゃあねこなた、後、シンも」
私に挨拶されると思ってなかったのか、ちょっと驚いた顔をするシン。
「あ、ああ…またな」
「うん、またね!」
私はシンに手を振るとくるりと回り、自分の乗る電車が来るホームへと向かう。
こなたのお守りだけでも大変なのに、またおかしなやつと知り合いになってしまった…ほんと勘弁してほしいわね。
そう思いながらも、私の口元からは自然と笑みがこぼれていた。
〜 f i n 〜